ハンドソーンにて作られたオーダーシューズ 福岡の洋服のお店のブランドでした。別工房にて作られているようです。
修理の難しさは承る時にどの程度壊れてしまっているか靴をバラさずに判断することでもあります。
製法やデザイン、素材感から来る痛み具合をどの程度把握できるかは色々な靴を 見てきているかが大事です。このメーカーだとこういった作り方をしているから、こういう履き方だとココが痛んでいるだろう、など
勿論お客様から聞ける情報もあり、修理歴があるか、不具合があるかなどお聞きしています。
今回の靴はパッとみるとグッドイヤーで作っているように見えますが中底や掬い縫いのピッチや吊り込み具合で、先に状態が分かったのでバラした状態によってはアッパー以外は全て補修する可能性をお伝えしております。バラしてから金額的に釣り合わない場合、元には戻せないですから。
↗︎一見するとそこまで痛んでいないように見えます。
実際開けてみると縫いのピッチが荒いためウェルトの糸がほつれて切れてしまっています。
またウェルト自体が何度かオールソールしている為 出し縫いによって千切れています。
中底から ハンドソーンのため中底の革が固くヒビ割れています。
バラしたところ 足裏の部分も硬化して割れています。新しいもので作ります。
木型を使い形を維持しつつ新しい物で組みハンドソーンにてオールソール。
コバ周りもパリッと仕上がり次からのオールソールも出来るようにウェルトも多少幅を出しました。
靴の形が生き返りました。
こちらはサンクリスピン メーカー製のハンドソーンです。ハンドの靴は作った人のニュアンスがより分かりやすいので難しいですが非常に楽しい作業です。スチール修理
バラしてから分かることも有るので場合によっては追加の修理も必要になる事をご了承ください。